カミツキガメ

< カミツキガメとは >

カミツキガメは、爬虫綱カメ目カミツキガメ科カミツキガメ属のカメ、
またはその総称です。

よく混同されてしまいがちな「ワニガメ」も同じカミツキガメ科の仲間です。
カミツキガメ科のワニガメ、カミツキガメ科のカミツキガメ。
ちょっとややこしいですね(苦笑)


元々は日本国内には生息していなかった外来種で、
日本には1960年頃からペットとして輸入されるようになりました。
しかし子供の頃は可愛くて扱いやすいカミツキガメは、
成長すると体格が大きくなる上に攻撃性がかなり強くなります。
近年では飼育放棄された個体が野生化して繁殖してしまう事例が報告されており、問題になっています。

カミツキガメ カミツキガメ


< カミツキガメの身体的特徴 >
カミツキガメは、甲長が最大で50cm程度の大きさになります。
甲長が80cmにも及ぶワニガメに比べるとずいぶん小さいんだなというイメージを持つかもしれませんが、
カミツキガメは尻尾が大きく、首もかなり長く伸ばすことができるので、
鼻先から尻尾の先までの最大全長は100cm近くに及ぶ場合もあります。
やはり大型のカメには違いありません。

甲羅は基本的には滑らかな曲線型ですが、縦方向に三本の薄い隆起線があります。
ワニガメは甲羅のキールが強くてトゲ状の甲羅をしているので、
カミツキガメとワニガメは甲羅の形状を見れば容易に区別することができます。

腕は太く、肩まわりもかなりガッシリとしています。
そして非常に発達した爪も大きな特徴。
主に水底を這うように行動するカミツキガメは、この爪を使って物を掻き分けるようにして餌を探します。

あと、前述しましたがカミツキガメは尻尾が通常のカメに比べて非常に長いです。
そのため調査の際などには、地面に残った尻尾の痕跡と足跡の間隔を比較すれば、
それがカミツキガメのものであるかどうかの判別が可能です。
ちなみにオスの個体のほうが大きく立派に育つ傾向にあります。

カミツキガメ カミツキガメ


< カミツキガメの生活と繁殖 >
カミツキガメはほぼ水棲で、一生のほとんどを沼や池などの水がある場所で過ごします。
中でも水底に泥が溜まっていて、石・流木・水草などの遮蔽物が多い環境を特に好みます。 水の流れが早い場所、もしくは水が澄んだ場所は逆に好まないため、
渓流などで発見されることはあまりありません。

気温の変化には強いほうで、原産地であるアメリカ全ての場所でその気候に対応できています。
そのためもし日本のどこで捨てられても生きていくことができてしまいます。
この適応能力の高さが、野生下繁殖問題の大きな原因に。

繁殖期はこれといって決まっておらず、冬以外であればいつでも交尾行動をとります。
産卵は初夏あたりに行われることが多く、一度に20〜30個程度の卵を産みます。
卵の大きさはピンポン玉をひとまわり小さくした程度で、
だいたい3ヶ月程度で孵化します。

生まれた子ガメが性成熟するまでには約5年。
寿命については検証データが少ないためなんともいえませんが、80年は生きるのではないかと考えられています。

カミツキガメ カミツキガメ
↑生まれたばかりのカミツキガメ(左)と、カミツキガメ・ワニガメ・ピンポン玉の大きさの比較(右)

< カミツキガメの主食と天敵 >
カミツキガメは雑食性です。
動物性であれば、昆虫、カエル、ヘビ、魚、ザリガニ、鳥類、小型哺乳類、
植物性であれば、茎、葉、花、果実、藻など、本当に口に入るものは何でも選ばずに食べています。

逆に天敵となるのはワニや大型のヘビ、肉食性の大型鳥類・哺乳類ですが、
日本においてはそれらがほとんど存在しないため、天敵と呼べるのは人間だけになります。

カミツキガメ カミツキガメ


< カミツキガメの性格と攻撃性 >
ワニガメと比べると、大きさや甲羅の物々しさで劣る(?)ため、
見た目のインパクトではどうしてもカミツキガメは負けてます。
しかし、どちらかというと実際に気をつけなければいけないのはカミツキガメのほうです。

何故かというと、カミツキガメは気性が荒く、非常にその動きが俊敏だからです。
特に陸上に上がったときは警戒心が強く、目の前に近づいたものに瞬時に咬みつこうとする習性があり、
しかも長い首を伸ばすようにして飛びついてくるのでリーチもあります。
距離があるから大丈夫だと思って不用意に近づくと痛い目に遭うことになります。
イタズラ心で指を失うなんてことにならないように(苦笑)

ちなみに陸上で警戒心が強いのは、水中ほど自由に身動きが取れないためだと考えられています。
カミツキガメは水中では大きな水かきを使ってスイスイ素早く動けるので、危険が迫れば自ら逃げていきます。
しかし動きづらい陸上では逃げ切れないと判断し、逆に攻撃的になって威嚇体勢をとるというわけです。

カミツキガメ カミツキガメ


< 人間からみたカミツキガメの危険性 >
日本にて野生化してしまったカミツキガメの、人間に対しての危険性についてです。
この項についてはワニガメと共通で全く同じことが言えます。

近年ペットとして飼育されていたカミツキガメが捨てられて、野生化していることが問題になっています。
大人の指でも簡単に咬みちぎるような危険なカメが近所の池にいるなんて信じられない!なんて
ヒステリックになってる親御さんなんかもいるでしょう。
しかし結論から言います。
普通に生活していればカミツキガメに咬みつかれる可能性はまずありません。

カミツキガメは産卵時以外は、常に水中にいます。
しかも綺麗な川ではなく、池や沼のような濁った場所を好みます。
つまり、人間のほうからそういった池や沼の中に足を入れなければ、絶対に接触しないわけです。
池のそばで遊ぶことはあっても、いまどき濁った水の中に入って遊ぶ人はいないでしょう。

しかもカミツキガメは水中で自分より大きな生き物に遭遇するとまず逃げます。
そもそも水中ではほとんど咬みつくことはしないとも言われています。

これらのことをふまえて、人間がカミツキガメに咬みつかれるケースがもしあるとすれば、
それは人間のほうからカミツキガメにちょっかいを出したときです。
カミツキガメをわざわざ陸上にあげて、面白がって指を差し出したりすれば、
びっくりするぐらいのスピードで咬みつかれて見事にその指を失うことでしょう。
そんなんはもはや自己責任ですね。

もしカミツキガメを見かけたなら絶対に手を出さず、警察に連絡するようにしてください。
長い棒で距離をとってイタズラするのであれば大丈夫だろうと思いがちですが、
このカメはに、1メートル程度をすごいスピードで首を伸ばしながらジャンプして飛びかかる力があります。
絶対にちょっかいを出してはいけません。


↑カミツキガメにちょっかいを出して逆襲されている動画。かなりビックリします。


カミツキガメ カミツキガメ


< 日本におけるカミツキガメの繁殖 >
前述したとおり、日本の気候に適応できる、天敵がほとんどいないという特徴によって、
日本では本来は存在しなかったはずのカミツキガメの繁殖を許してしまっています。

有名なのは千葉県の印旛沼水系。
印旛沼水系ではかなり昔から繁殖を許してしまっていて、
毎年何百匹単位に及ぶ数のカミツキガメを捕獲・駆除しています。
県がかなり力を入れて対策に乗り出していますが、
生活のほとんどを水中で過ごすカミツキガメの完全駆除はさすがに現実として厳しいようです。


< カミツキガメの飼育 >
昔はペットとして自由に飼育することができました。
しかし手に余るサイズにまで成長してしまったカミツキガメを池などに逃がしてしまう事例が多く、
そこで繁殖したカミツキガメが他の生態系を脅かす事態に。
そのため2005年に特定外来生物に指定され、その飼育は禁止になりました。
(それ以前から飼っていた場合のみ必要な手続きを踏めば飼育許可が下りる)

人気芸人どぶろっくの江口さんがカミツキガメの無許可飼育で書類送検されましたが、
これは以前から飼育していて法改正後に飼育許可申請をするのを怠っていたために起きた事件です。

もちろん野生のカミツキガメを捕まえて飼育するのも法律違反です。
ちょっと飼育してみようなんて考えは起こさないようにしましょう。

カミツキガメ カミツキガメ

野生のカミツキガメを撮影した動画(アメリカ):

< 近年のカミツキガメに関するニュース >
→2015年のカミツキガメのニュース
→2014年のカミツキガメのニュース

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